局所排気ダクトの特徴と用途
局所排気ダクトはさまざまな生産工程で発生する油煙や溶接ヒューム等の人体に有害な発生物を屋外へ排出し、発生物をなるべく発生源に近い場所で捕集し、極力少ない風量で作業工程に干渉しない経路を保ち屋外へ排出します。
フード、吸引ダクト、排気ダクト、空気清浄装置(除じん装置または除ガス装置)、ファンなどが主要な部分で、そのほかに枝ダクトの通気抵抗(圧力損失)をバランスさせるためにダンパーを設けたり、排気ダクトに雨水が入り込むのを防ぐためにウェザーキャップをつけたりします。
我が国では有機則、特化則などの労働省令で局所排気装置の構造要件が定められており、この要件を満足しないと法的には局所排気装置と認められません。
有限会社大矢設備では局所排気装置の設計から施工まで全国対応が可能です。
また、公的機関への(労働基準監督署)提出が必要となる書類(計算書)の作成も行っています。
局所排気ダクトを計画する前に
局所排気装置の計画を立てる前に、ちょっと矛盾するように思われるかも知れませんが、本当に局所排気を設けるのが一番良い解決方法であるかどうか、もう一度よく検討してみてください。もしかすると局所排気よりもっと根本的なよい解決方法があるかも知れません。
例えば、もし有害な物質を使わずに同じような目的を達成することが可能ならば、その方がよほど根本的な解決策に違いありません。また湿式化によって粉じんの発生を防いだり、設備を完全に密閉化したり、自動化したり、工程の中の有害物質が発散する部分を作業者のいない場所に移して隔離することによって、作業者が有害物質にふれずに済むようにできるならば、その方が局所排気より優れた対策といえるでしょう。
局所排気ダクトの基本設計項目
- フードを設置する場所と、フードの形を考える
- 制御風速を定める
- 必要排風量を計算する
- 必要排風量の合計が大きすぎて空調に差し支える場合やクリーンルームのクリーン度が影響される場合には、もう一度フードの位置と形を検討しなおして、排風量を減らす努力をする
- ダクトの配置、設置する場所を定める
- ダクトの太さを仮決めする
- ダクトの太さが太すぎて配置に差し支える場合には、その部分だけ細くすることもやむを得ないが、搬送速度、圧損が大きくなりすぎる場合には偏平角形、オーバル形などの異形ダクトを使って搬送速度が5~6m/sに収まるようにする
- 搬送速度を計算する
- 空気清浄装置を選定する
- ダクト系の圧力損失を計算し、ファンの必要静圧を求める
- 必要排風量の合計と必要静圧からファンを選定し、動作点を求める
局所排気ダクトの工事実績(一部掲載)
工事名 | 施工内容 | 設計 | 施工規模(㎡) | 期間 | |
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自動車部品工場 | 愛知県豊田市 | 局排工事 | ○ | 337 | 2008/3 |
自動車部品工場 | 愛知県豊田市 | 排気設備増設 | ○ | 180 | 2008/2 |
自動車部品工場 | 愛知県豊田市 | 排気設備増設 | ○ | 634 | 2007 |
自動車部品工場 | 愛知県西春町 | 溶接ロボットューム 排気ダクト工事 |
○ | 400 | 2005/9 |
更新日:2010年5月27日